ポイントクラウド法線推定

機能説明

このオペレータは、入力ポイントクラウドデータ内の各点の表面法線ベクトルを推定するために使用されます。

法線ベクトルは、点における局所表面に垂直な3Dベクトルであり、その点の向きを表します。

オペレータはK最近傍法に基づいた方法を使用します。ポイントクラウド内の各点について、そのK最近傍点を見つけ、次にこれらの近傍点を通して局所平面をフィッティングします。この平面の法線ベクトルが、その点の推定法線ベクトルとして使用されます。

利用シーン

  • 特徴抽出:法線ベクトルとその分布は、ポイントクラウドのマッチング、セグメンテーション、認識などのタスクに使用できる重要な幾何学的特徴です。

  • 平面フィッティングと検出:法線ベクトル情報は、平面領域の識別とセグメンテーションに役立ちます。

  • 表面分析:オブジェクトの表面曲率、滑らかさなどを分析します。

  • ロボットによる把持:オブジェクト表面の把持可能性を判断したり、把持姿勢を計算したりする際に、法線ベクトル情報が必要になる場合があります。

入力と出力

入力項目

ポイントクラウド :XYZ座標情報のみを含む入力ポイントクラウドまたはポイントクラウドのリスト。

出力項目

ノーマルポイントクラウド付き :出力ポイントクラウドまたはポイントクラウドのリスト。元のXYZ座標に加えて、各点には推定された法線ベクトル情報が付加されます。

パラメータ説明

  • 計算負荷:法線推定は点ごとに計算されます。ポイントクラウドの点数が多く、K値が大きいほど、計算時間は長くなります。

  • 視点の重要性:一貫した法線ベクトル方向を確保するために、正しい視点を設定することが重要です。

ビューポイント

パラメータ説明

3D座標[X, Y, Z]を定義します。通常はカメラ座標系の原点[0, 0, 0]であり、計算された法線ベクトルの方向を調整するために使用されます。

チューニング説明

法線ベクトルには2つの可能な方向(表面の内側または外側を指す)があります。オペレータが初期法線ベクトルを計算した後、現在の点から視点までのベクトルと初期法線ベクトルとの間の角度を計算します。角度が90度より大きい場合、オペレータは法線ベクトルを反転させて、法線ベクトルが一般的に視点方向を指すようにします。

パラメータ範囲

デフォルト値:[0,0,0]

検索数

パラメータ説明

各点の法線ベクトルを推定する際に、検索する周囲の近傍点の数。これらの近傍点は、小さな平面をフィッティングするために使用され、その平面の法線ベクトルがその点の法線ベクトルになります。

チューニング説明

  • 検索数の選択は、法線ベクトル推定の安定性と局所的な詳細に対する感度に影響します。

  • 検索数が少ないほど、局所的な詳細に敏感になり、鋭いエッジや高曲率領域の法線の変化をよりよく反映できますが、ノイズにも敏感になり、推定された法線ベクトルが十分に滑らかでない場合があります。

  • 検索数が多いほど、より広い近傍を考慮し、推定された法線ベクトルがより滑らかになり、ノイズに敏感でなくなります。ただし、一部の詳細な特徴が滑らかになり、エッジでの法線ベクトルの遷移が鋭くなくなる可能性があります。

    適切な検索数は、ポイントクラウドの密度、ノイズレベル、およびアプリケーション要件に基づいて選択する必要があります。

パラメータ範囲

[0, 1000000]、デフォルト値:15